
梅毒とニキビはどちらも皮膚にしこりや発疹ができるため、見た目が似ており、混同しがちです。
実際に、梅毒の初期症状として発疹ができたにもかかわらず、ニキビだと思って放置していたという方も少なくありません。梅毒は放置するとどんどん症状が進行し、最悪、死に至る危険もあります。
この記事では、ニキビと勘違いして梅毒感染を放置してしまわないために、梅毒とニキビの見分け方などを解説します。
目次
梅毒とニキビの違い

梅毒とニキビは、原因や症状、発症部位に明確な違いがあります。以下の表に主な違いをまとめました。
比較項目 | 梅毒 | ニキビ |
発疹の特徴 | ・手のひらや足、体幹部、顔など全身的に見られることが多い | ・大きく3種類ある(白・黒・赤ニキビ) ・膿が出る場合もある |
発疹・できもの以外の症状 | ・ソケイ部やリンパ節の腫れ(初期症状) ・発熱、倦怠感など | 基本的になし |
痛みの有無 | 初期段階では痛みがない | 痛みがある場合も。炎症が強いと強い痛みを伴う |
主な発生部位 | 性器、口腔内、肛門、手指など「感染した部位」 | あご、おでこ、首、頬、背中など「皮脂の多い部位」 |
治療方法 | 薬物療法で完治を目指す | スキンケアや皮膚科での外用薬/内服薬による対症療法 |
完治(再発) | 完治可能(再感染のリスクあり) | 基本的に完治するが、生活習慣により繰り返しやすい |
梅毒は性感染症のひとつであり、性行為や皮膚接触などを通じて感染します。しこりや発疹が出てもニキビと思われることも多く、適切な治療が施されないケースが多いので注意が必要です。
少しでも違和感がある場合は、性病専門のクリニックなどで検査を受けることをおすすめします。
梅毒の詳細は「梅毒の症状・検査・治療」をご覧ください。
梅毒とニキビの見分け方

梅毒とニキビの見た目は似ていますが、見分け方がないわけではありません。以下に、梅毒とニキビ、それぞれ特有の症状などをまとめました。見分け方の参考にしてください。
梅毒が疑われるケース
- 痛みや痒みはない:梅毒初期はしこり(できもの)だけ
- 全身に発疹が広がっている:手の平や足の裏など
- しこり以外の初期症状が現れにくい
ニキビが疑われるケース
- 痒みや痛みがある
- 白や黄色い膿が出ることがある
自己判断は危険!梅毒のリスクとは
上記で梅毒とニキビの見分け方を説明しましたが、それはあくまでも一般的な違いであり、完璧な見分け方ではないのです。そのため、「ただのニキビだ」と自己判断した結果、梅毒を放置してしまうという危険もあります。
梅毒に感染しているかどうかを正確に判断するためには、医療機関での検査しかありません。性行為後にしこりや発疹が見られたら、必ず医療機関で検査を受けましょう。
自己判断で手遅れになる可能性も
梅毒は感染から約3週間ほどで、初期硬結(しょきこうけつ)という「痛みのないしこり」が現れるのが特徴です。
痛みや痒みの有無がニキビと見分けるポイントなのですが、初期硬結を「軽いニキビ」と自己判断し、放置してしまう人も少なくありません。
梅毒は放置すると原因菌である梅毒トレポネーマが全身へと広がってしまいます。初期段階で適切な治療をしないと、手遅れになる可能性もあるので注意が必要です。
梅毒は進行すると最悪死に至るケースも
梅毒の病期(ステージ)は3期まであります。
初期症状が現れる1期を経て、感染から3カ月~3年が経過すると2期へと進行し、次のような全身症状が現れます。
- 手のひらや足の裏に赤い発疹(バラ疹)
- 発熱、全身の倦怠感
- リンパ節の腫れ
その後、3年以上経過すると3期に移行していきます。
この段階になると心臓や脳、脊髄などの臓器にまで症状が現れ、最悪の場合、死に至るケースも報告されています。
梅毒は早期の検査と治療が大切
梅毒は、早期に発見して治療すれば、完治の可能なうえ、治療期間も短くてすみます。一方、放置してしまい病期(ステージ)が進むと治療期間が長引くだけでなく、場合によっては完治しないケースもあります。そのため、梅毒については早期治療が非常に大切です。
梅毒のしこりや発疹は、時間の経過とともに消えてしまいます。しかし、病気が治ったわけではなく、進行する過程で症状が見えなくなっている状態でしかありません。
梅毒は近年、男性は20代から50代、女性は20代から30代前半の報告が多くなっており、社会問題にもなっています。
違和感があったら必ず医療機関で検査を受けましょう。早期発見・早期治療が、健康を守る最善の対策です。
参考:厚生労働省|梅毒
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梅毒はもちろん、他の性感染症も同時に検査できるキットのご用意もあります。思い当たる症状がある方や不安な方は、セットの検査キットをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
梅毒とニキビの見分けがつかないときはどうすればいいですか?
見た目だけで完全に区別するのは非常に難しいです。「何かおかしいな」と感じた時点で、迷わず医療機関で検査を受けましょう。
梅毒と同時に感染しやすい性病はありますか?
梅毒と同時に感染しやすい代表的な性病として、HIV感染症があります。
梅毒による潰瘍などがあると、HIV感染のリスクが高まるといわれています。
当クリニックでは、梅毒とHIVを同時に検査できるセット検査メニューもございます。そのほか、複数の性病検査も可能なので、詳しくは料金表をご覧ください。
しこりや発疹が消えたら自然治癒したということですか?
いいえ。梅毒は自然治癒しないので、「しこりや発疹が消えた=梅毒が治った」ではありません。
梅毒の初期症状であるしこりも、2期の症状である発疹も、どちらも時間が経つと自然に消失することがあります。しかし、症状が見えなくなっても梅毒の原因菌は体内に潜伏しており、病気が進行しています。
一度症状が現れたら、治ったように思えても安心せず、必ず検査と治療を受けてください。
梅毒は一度治ったら再感染しませんか?
梅毒は、原因菌である梅毒トレポネーマを体内から完全に取り除くことで完治が見込める病気です。しかし、一度感染しても完全な免疫が獲得できるわけではないので、完治後に再感染する可能性があります。そのため、一度完治した方でも、コンドームの使用や性病予防薬の服用による予防、定期的な検査をおすすめします。